実印、銀行印、認印とか、印鑑の種類にはいろいろあるけど、そもそも何が違うのか、どういう時に使うのか、疑問に思っていませんか? ここでは下記の内容について詳しく解説します。
この記事を読んでいただければ、ご自分の日常生活においてどのような時にどのような印鑑を使うべきか判断材料の一つにしていただけると思います。
印鑑登録したはんこのことを実印といいます。
よく、「実印を作ってください」と言われるお客様がおられますが、そもそも印鑑を作っただけではまだ実印ではありません。
印鑑登録は、個人の印鑑は区役所や市町村役場で行います。
法人の印鑑登録は法務局で行います。
ではどのような印鑑を作成すればいいかといいますと、下記のような規定があります。
【8mmの枠に収まらず、かつ25mmの枠に収まるもの】
つまり9mmから18mmぐらいの普通に売っている印鑑ならどの大きさでも大丈夫ということです。また、男性・女性でサイズの区別はありません。
しかし一般的なサイズはといいますと、
ぐらいが一番よく出るサイズです。
【変形、変質しないもの・鮮明に捺印できるもの・大量生産品でないもの】
主な印材の種類として「柘」「黒水牛」「牛角」「象牙」があり、その他にもやアクリル樹脂、宝石印、チタン、紫檀、黒檀、楓やアグニなど、さまざまな印材の種類があります。
ゴム印、シャチハタなどの浸透印、その他変形・変質しやすいものは登録できません。
印影(捺印したもの)が不鮮明なものや外枠が欠けたものは登録できません。
既製品(出来合)は基本的には登録できません。しかしどうしてもとお願いすれば、あるいは役所の人が既製品と気づかなければ登録できるようです。
彫刻文字は、姓名(フルネーム)でも、姓だけでも、名だけでもかまいません。
または姓の最初の1文字と名の最初の1文字でもかまいません。
文字は戸籍どおりの文字でなければなりませんが、役所によっては旧字を新字に変えてももいい場合があるようです。
書体は自由です。
どんな良い印章を作っても、そのままでは認印にしかなりません。
印鑑登録した印章を実印、金融機関の口座を開設した印章を銀行印といいます。
当店では、便宜上、姓名彫刻したものを「実印用」としていますが、印鑑登録できる印章の規定にあるように、姓のみでも名のみでも実印にはなります。
認印のうち、口座を開設したものを銀行印といいます。基本的にゴム印ではできません。
銀行印は実印ほどの規定はありません。
≪大きさ≫
サイズは特に規定はありませんが、実印より少し小さめがよろしいかと思います。
実印が15mmの場合は銀行印は12mmか13.5mm、
実印が13.5mmの場合は10.5mmか12mmといった感じです。
≪材質≫
ゴム印、その他変形・変質しやすいものは基本的にはできませんが、金融機関によってはゴム印でもできる場合があるようです。
既製品(出来合)でもできますが、同じハンコがたくさんあるのでお勧めはしません。
≪彫刻文字≫
実印と同じく姓名彫刻(フルネーム)でも、姓だけでも、名だけでもかまいません。
姓のみ、または名のみが一般的です。
銀行印も書体は自由です。
書留や宅配便の受領、簡易な書類などに押す、少し前までは日常もっともよく使うハンコでした。
最近では認印をよく使う職業の人を除けば、あまり使う機会がなくなってきています。
三文判(既製品)やゴム印でもよく、シャチハタなどのインクの出るゴム印がよく使われています。
実印、銀行印、認印の兼用はできるのでしょうか?
結論から言うと兼用できます。
それぞれ別々に作らなくても、実印にできる印鑑を1本つくり、印鑑登録して実印にし、口座もその印鑑で開設し、認印としても使うとすると、1本で済みます。
しかしその印鑑を紛失したり、破損したりして新しく印鑑を作製した場合、印鑑登録や通帳の改印など、すべて変更するのは大変な労力です。鮮明な印影があれば、全く同じように彫ることは技術的にはできますが、偽造することになりますのでお勧めはできません。したがって実印と銀行印の兼用はさけた方がよろしいと思います。
訂正印というのは、書類の記入を間違えたとき、二重線などを引き、その上に捺印する印鑑です。
6mmぐらいの丸印や楕円のものが使われています。
帳簿の訂正に使われることから、簿記印ともいわれています。
書画や色紙(しきし)などに捺す、趣味の印です。
主に篆書で彫ることから篆刻(てんこく)とも言われます。
篆書以外でも古印体とか隷書古印などでも彫刻しますので、すべてをひっくるめて落款印と呼びます。
本来なら蝋石(寿山石や青田石、巴林石など)で彫りますが、柘やゴム印でもできます。
わざとガタガタにしたり欠いたりして、古くなったような風合いを出したものです。
要するに、「実印」「銀行印」「認印」は、学校を卒業するときにもらうような印鑑が1本あれば、すべて事足りるということですね。しかし、そのような印鑑は大量生産品であることが多く、同じ印鑑を持つ人が何人もいる可能性もあり、やはり別に作成したほうがいいのではないでしょうか。
もっといい印鑑を持ちたいとか、1本で兼用するのは危険だからそれぞれの用途で別々に印鑑を持ちたい場合も作られたほうがいいんじゃないでしょうか。